2014年5月2日金曜日

緑内障 手術の決心

■4月26日(土)■

ネオベッツの診察室に通され、

眼科の先生にひと通り

ミチ君の目を見てもらいました。





(見た目上では)この日の朝から

右眼に起きた緑内障の原因は、

水晶体の亜脱臼』 でした。

本来、水晶体が位置するポケットのような場所から、

水晶体がずれているらしい。





完全にポケットから落ちた状態の『脱臼』ではなく、

かろうじてポケットに引っ掛かっている状態の『亜脱臼』。


先生が見る限り、今は視力は保てている、との事。

眼科の先生は、

ミチ君の亜脱臼の原因はおそらく、

年齢の増加によって水晶体を支える筋肉が

弱ってきたからでしょう、と仰っていました。

今は問題のない左眼も、将来、

右眼と同じように亜脱臼または脱臼が起こる可能性はある、と

言われました・・・。

今かろうじて引っ掛かっている

右眼の水晶体も、

いつ前か後ろに落ちる(脱臼する)か分からない状態。

それこそ、体をブルブルっとしただけで、

ぽろっと落ちる可能性もある・・・。





ただ、今現在の技術では、

この亜脱臼の治療法の選択肢が、

非常に少ないらしい・・・。

ミチ君のケースに限定して言えば、

先生から教えてもらった方法は、3つでした。





その(1) 水晶体を取る手術

メリット:

視力温存の望みがある。

※ただ、遠視になる(近くの物が見えにくい)。

デメリット:

手術しても、実際に視力が温存できる可能性は、

たったの30%。

というのも、この手術は、

合併症が非常に多い、難しい手術だから。

合併症(網膜へのダメージなど)が起きると、

痛みや炎症が起き、

最終的に眼球を取り出す手術が必要になる場合が多い。

つまり、成功率30%、失敗率70%の手術。

手術の時間も長く、2時間ほどかかる。

入院も5日間ほど必要。

また、この手術を選択した場合、

出来るだけ早く施すことが望ましい。

先生は、「もしこの手術を選択されるのであれば、

明後日、夕方の診療が終わってから、夜から手術頑張ります。」

って、仰って下さいました・・・

先生ありがとう・・・(涙)





その(2) 眼球を取り出す手術(プラス義眼)

デメリット:

失明

メリット:

比較的簡単な手術で、ほぼ成功するであろう。

手術は1時間程度。入院は1日程度。

合併症や術後の問題は、ほぼ無し。

あったとしても、目薬などで対処可能。






その3 手術せず、温存治療

目薬でなんとか眼圧を抑えて、

痛みや炎症を抑え続けていく、というもの。

先生は、これはお薦めしない、という感じでした。

ミチ君の今の体力と健康状態なら、

いつポロッと落ちる(脱臼する)か分からない

水晶体を放置しておくのではなく、

積極的に手術で治療をした方が良い、と。





と、こんな感じで、

3つの方法を提案されました。

一晩家族でじっくり話し合って、

治療法が決まったら、先生に連絡することになった。





何なんでしょう、

この究極の選択・・・

これが動物医療の限界なのか・・・





ミチ君には、いつまでも、

目が見える状態でいさせてあげたい。

ある日突然、片目の視力を失うなんて、

出来る事なら経験して欲しくない。

ミチ君を緑内障の痛み、辛さから守り、

かつ視力を残すためには、

(1)の水晶体を取る手術しかない。

でも・・・

成功率30%って・・・

低すぎるよ・・・

。・゜・(/Д`)・゜・。

そりゃ、幸運が舞い降りて、

この30%に入れたら、

万々歳ですよ・・・

もし私自身がこの病気になったら、

成功率が低くても、この手術に賭けるでしょう。

失敗しても、痛い思いするのは自分自身だから。

もし幼犬のアストロがこの病気になっても、

この手術に賭けるでしょう。

まだ若いから、失敗しても、

次の手術に十分耐えられるはずだから。





でも・・・





ミチ君は、今12歳。

今年の11月で13歳になります。





ここ数年は、心臓に小さな雑音が

確認される事があります。

(ただ、超初期の、殆ど問題ないレベルだけど。)





それに、前日の血液検査で判明した、

貧血の状態・・・。





ミチ君のこれからの体調を考えると、

「賭け」は避けたい。

失敗率の高いこの手術を受けさせて、

見事失敗してしまうと、

また手術せなアカンようになる・・・。





その時に、ミチ君の心臓の状態が悪かったら・・・

貧血が進んでいたら・・・

そんな事を考えると、

(1)の手術はリスクが大きすぎる・・・




ああ、どうしよう・・・

どうすればいいの・・・

ミチ君の一番の希望が分かれば、

どれだけ救われるか・・・(泣)




先生の診察が終わったのは、夜8:30。

ミチ君のために残業してくれて、

時間をかけて、とても丁寧に、

説明してくれた先生に、心から感謝。





家に帰る車の中で、

旦那と話し合いました。

旦那の気持ちは固まっているようで、

こう語りました。





「眼球を取り出して、義眼を入れる手術をさせてあげたい。

ミチ君の今後の体調を考えると、手術(麻酔)の回数は、

最小限にとどめたい。

30%の成功率は低すぎる。

また手術となると、ミチ君にとっては大きなストレス。

ミチ君の年齢を考えると、何度も手術を受けさせたくない。

犬の失明の影響は、

人間のものと比べると低い。

僕の祖母が飼っていたプードルも、

両目が見えなくなってからも

家の中を普通に歩き回り、

元気に16歳まで生きた。

だから、ミチ君も、左目の視力が無くなっても、

きっと元気に頑張ってくれると思う。」





旦那の言葉を聞いて、

私の決意は固まりました。

私も、同じことを考えていたからです。





ミチ君から右眼の視力を奪ってしまうのは、

本当に、心臓が潰れそうなほど、辛い。

でも、それ以上に、

成功率の低い手術をさせて、

実際に問題が起こってしまうと、

また手術をさせる事に・・・。





 眼科の先生が仰っていました。

「ミチ君が若ければ、成功率が低くても、

(1)の手術を強く勧めます。

でも、ミチ君は若くないです。

どんな治療法でも、

“間違っている”ことはありません。

どんな治療法でも、

ワンちゃんの事を想って考えた、

ご家族の選択だからです。

どの治療法を選んでも、“正解”なのです。」






私と旦那で、じっくり話し合いました。

ミチ君が若い頃に

ミチ君の世話を一番してくれた私の母親にも、

相談しました。






全員が、同じ考えを持っていました。






ミチ君の体調、年齢、将来を尊重して、

導き出した結論は、

右眼の眼球摘出と、義眼挿入の手術でした。





大好きな、大好きな、ミチ君のお目目。

ミチ君と初めて会ったその日から、

その大きなカワイイくりくりお目目で、

私をずっと見てきてくれたよね・・・。

ネコを見ると興奮して追いかけて・・・。

雑草を見ると飛びついて・・・。

オヤツを見ると、大きなお目目が

更に大きくなって、

ちょっと怒ったような、真剣な顔つきになるよね・・・。

窓からお外を眺めながら、

ウトウトお昼寝したり・・・。

ぬいぐるみを見ると、

嬉しすぎてギョロ目になるよね・・・。

どんな時でも、私のことを見つめ続けてくれた、

大きくて、真ん丸で、

とっても可愛いミチ君のお目目・・・。

ミチ君・・・

ミチ君・・・

ミチ君のお目目が・・・

可哀想に・・・

(涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙涙)




ミチ君が小さい頃からの思い出が、

一気に蘇ってきて、

ミチ君の目の前で、

子供のように泣きじゃくってしまいました・・・。

辛くて、辛くて・・・。

そんな私を見て、ミチ君は、

あふれ出る涙をペロペロ、ペロペロ、

いっぱい舐めてくれました・・・。

大きなお目目で、見つめてくれました・・・。

ミチ君・・・ごめんね・・・

ありがとう・・・





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